販売名 |
モルヒネ塩酸塩注射液10mg「シオノギ」/モルヒネ塩酸塩注射液50mg「シオノギ」 |
組 成 |
(1アンプル(1mL/5mL)中) モルヒネ塩酸塩 10mg/50mg |
薬 効 |
鎮痛剤 |
長期投与 |
30日分投与を限度とする |
警 告 |
本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。 |
禁 忌 |
(次の患者には投与しないこと)
- 〔皮下・静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
- (1)
- 重篤な呼吸抑制のある患者〔呼吸抑制を増強する。〕
- (2)
- 気管支喘息発作中の患者〔気道分泌を妨げる。〕
- (3)
- 重篤な肝障害のある患者〔昏睡に陥ることがある。〕
- (4)
- 慢性肺疾患に続発する心不全の患者〔呼吸抑制や循環不全を増強する。〕
- (5)
- 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者〔脊髄の刺激効果があらわれる。〕
- (6)
- 急性アルコール中毒の患者〔呼吸抑制を増強する。〕
- (7)
- アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
- (8)
- 出血性大腸炎の患者〔腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
- 〔硬膜外投与の場合〕
- (1)
- 注射部位又はその周辺に炎症のある患者〔化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。〕
- (2)
- 敗血症の患者〔敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。〕
- 〔くも膜下投与の場合〕
- (1)
- 注射部位又はその周辺に炎症のある患者〔化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。〕
- (2)
- 敗血症の患者〔敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。〕
- (3)
- 中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者〔くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。〕
- (4)
- 脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者〔くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。〕
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原則禁忌 |
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
- 〔皮下・静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
- 細菌性下痢のある患者〔治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
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効能・効果 |
- 〔皮下及び静脈内投与の場合〕
- ○激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
- ○激しい咳嗽発作における鎮咳
- ○激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
- ○麻酔前投薬、麻酔の補助
- ○中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
- 〔硬膜外及びくも膜下投与の場合〕
- ○激しい疼痛時における鎮痛
- ○中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
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用法・用量 |
- 〔皮下及び静脈内投与の場合〕
- 通常、成人には、塩酸モルヒネとして、1回5~10mgを皮下に注射する。また、麻酔の補助として、静脈内に注射することもある。なお、年齢、症状により適宜増減する。
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛において持続点滴静注又は持続皮下注する場合には、通常、成人には、塩酸モルヒネとして、1回50~200mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 〔硬膜外投与の場合〕
- 通常、成人には、塩酸モルヒネとして、1回2~6mgを硬膜外腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
硬膜外腔に持続注入する場合は、通常、成人には、塩酸モルヒネの1日量として2~10mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 〔くも膜下投与の場合〕
- 通常、成人には、塩酸モルヒネとして、1回0.1~0.5mgをくも膜下腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
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用法・用量に関連する使用上の注意 |
- 〔皮下及び静脈内投与の場合〕
- 200mg注射液(4%製剤)は、10mgあるいは50mg注射液(1%製剤)の4倍濃度であるので、1%製剤から4%製剤への切り替えにあたっては、持続注入器の注入速度、注入量を慎重に設定し、過量投与とならないように注意して使用すること。
- 〔硬膜外投与の場合〕
- (1)
- 200mg注射液(4%製剤)は、硬膜外投与には使用しないこと。
- (2)
- オピオイド系鎮痛薬を使用していない患者に対しては、初回投与時には、24時間以内の総投与量が10mgを超えないこと。
- (3)
- 硬膜外投与で十分な鎮痛効果が得られず、さらに追加投与が必要な場合には、患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
- 〔くも膜下投与の場合〕
- (1)
- 200mg注射液(4%製剤)は、くも膜下投与には使用せず、原則として10mg注射液(1%製剤)を使用すること。
- (2)
- 患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
- (3)
- 原則として追加投与や持続投与は行わないが、他の方法で鎮痛効果が得られない場合には、患者の状態を観察しながら、安全性上問題がないと判断できる場合にのみ、その実施を考慮すること。
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備 考 |
旧採用品:モルヒネ塩酸塩注射液10mg「タケダ」 |