販売名 |
オノアクト点滴静注用50mg |
組 成 |
(1バイアル中) ランジオロール塩酸塩 50mg |
薬 効 |
短時間作用型β1選択的遮断剤 |
長期投与 |
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禁 忌 |
(次の患者には投与しないこと)
- 〈共通〉
- (1)
- 心原性ショックの患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- (2)
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者〔アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。〕
- (3)
- 房室ブロック(II度以上)、洞不全症候群など徐脈性不整脈患者〔刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある。〕
- (4)
- 肺高血圧症による右心不全のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- (5)
- 未治療の褐色細胞腫の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- (6)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- うっ血性心不全のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
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効能・効果 |
- 1. 手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
- 2. 手術後の循環動態監視下における下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
- 3. 心機能低下例における下記の頻脈性不整脈:
心房細動、心房粗動
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効能・効果に関連する使用上の注意 |
- 〈共通〉
- 本剤は、予防的には使用しないこと。
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- (1)
- 洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少作用であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用すること。(「重要な基本的注意」の手術時・手術後の項(2)参照)
- (2)
- 手術後の使用においては、ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、循環動態の評価、不整脈診断及び呼吸・循環等の全身管理の十分な経験を持つ医師のもとで、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を原則として5分間隔で、必要ならば頻回に行うこと。(「重要な基本的注意」の共通の項(1)及び手術時・手術後の項(1)参照)
- 〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉
- 心機能低下例の使用においては、ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、心不全治療の経験が十分にある医師のもとで、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を行うこと。また、本剤の投与により、心不全が悪化するおそれがあるため、経皮的酸素飽和度をモニターする等、心不全の増悪に留意すること。心不全が悪化した際には、本剤の投与を直ちに中止するとともに、ホスホジエステラーゼ阻害薬の投与や大動脈バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置を施行する等、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の共通の項(1)、(2)及び心機能低下例の項(1)参照)
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用法・用量 |
- 1. 手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
- ランジオロール塩酸塩として、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
- 2. 手術後の循環動態監視下における下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
- ランジオロール塩酸塩として、1分間0.06mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.02mg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。5~10分を目安に目標とする徐拍作用が得られない場合は、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
- 3. 心機能低下例における下記の頻脈性不整脈:
心房細動、心房粗動
- ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10μg/kg/minの用量で適宜調節する。
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用法・用量に関連する使用上の注意 |
- 〈共通〉
- (1)
- 目標とする心拍数に調節した後は、循環動態、特に血圧低下に注意し、本剤を心拍数の維持に必要な最低の速度で持続投与すること。
- (2)
- 手術後及び心機能低下例の使用においては、本剤投与により血圧低下(収縮期血圧90mmHgを目安とする)あるいは過度の心拍数減少(心拍数60回/分を目安とする)が生じた場合は、減量するか投与を中止すること。
- (3)
- 褐色細胞腫の患者では、本剤投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断剤を投与した後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。
- (4)
- 手術時と手術後及び心機能低下例の用法・用量がそれぞれ異なることに留意すること。
- (5)
- 本剤投与に際しては、下記の体重別静脈内持続投与速度を参考にすること。
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 本剤を再投与する際の投与間隔は5~15分間を目安とすること。なお、再投与は用法・用量に従って実施すること。(「臨床成績」の1.手術時の項(4)、「薬物動態」の項参照)
- 〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉
- 心拍数及び血圧等に十分に注意し、慎重に、狭い用量幅で用量を調節すること(臨床試験では、原則1μg/kg/minで増減することとされた)。
- 〈体重別静脈内持続投与速度〉
- 精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を使用する場合:下記の単位は投与速度を表示
- 〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- (1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
- 投与時期:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:22.5mL/時
40kg:30.0mL/時
50kg:37.5mL/時
60kg:45.0mL/時
70kg:52.5mL/時
- 投与時期:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:7.2mL/時
40kg:9.6mL/時
50kg:12.0mL/時
60kg:14.4mL/時
70kg:16.8mL/時
- 投与時期:適宜調整
投与量:0.01~0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:1.8~7.2mL/時
40kg:2.4~9.6mL/時
50kg:3.0~12.0mL/時
60kg:3.6~14.4mL/時
70kg:4.2~16.8mL/時
- (2) 本剤50mgを20mLに溶解した場合
- 投与時期:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:90.0mL/時
40kg:120.0mL/時
50kg:150.0mL/時
60kg:180.0mL/時
70kg:210.0mL/時
- 投与時期:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:28.8mL/時
40kg:38.4mL/時
50kg:48.0mL/時
60kg:57.6mL/時
70kg:67.2mL/時
- 投与時期:適宜調整
投与量:0.01~0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:7.2~28.8mL/時
40kg:9.6~38.4mL/時
50kg:12.0~48.0mL/時
60kg:14.4~57.6mL/時
70kg:16.8~67.2mL/時
- 〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- (1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
- 投与時期:開始用量:投与開始から1分間
投与量:0.06mg/kg/min
- 体重
30kg:10.8mL/時
40kg:14.4mL/時
50kg:18.0mL/時
60kg:21.6mL/時
70kg:25.2mL/時
- 投与時期:開始用量:投与開始1分後以降
投与量:0.02mg/kg/min
- 体重
30kg:3.6mL/時
40kg:4.8mL/時
50kg:6.0mL/時
60kg:7.2mL/時
70kg:8.4mL/時
- 投与時期:最大用量:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:22.5mL/時
40kg:30.0mL/時
50kg:37.5mL/時
60kg:45.0mL/時
70kg:52.5mL/時
- 投与時期:最大用量:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:7.2mL/時
40kg:9.6mL/時
50kg:12.0mL/時
60kg:14.4mL/時
70kg:16.8mL/時
- (2) 本剤50mgを20mLに溶解した場合
- 投与時期:開始用量:投与開始から1分間
投与量:0.06mg/kg/min
- 体重
30kg:43.2mL/時
40kg:57.6mL/時
50kg:72.0mL/時
60kg:86.4mL/時
70kg:100.8mL/時
- 投与時期:開始用量:投与開始1分後以降
投与量:0.02mg/kg/min
- 体重
30kg:14.4mL/時
40kg:19.2mL/時
50kg:24.0mL/時
60kg:28.8mL/時
70kg:33.6mL/時
- 投与時期:最大用量:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:90.0mL/時
40kg:120.0mL/時
50kg:150.0mL/時
60kg:180.0mL/時
70kg:210.0mL/時
- 投与時期:最大用量:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:28.8mL/時
40kg:38.4mL/時
50kg:48.0mL/時
60kg:57.6mL/時
70kg:67.2mL/時
- 〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉
- 本剤50mgを50mLに溶解した場合
- 用法・用量:投与開始時
投与量:1μg/kg/min
- 体重
30kg:1.8mL/時
40kg:2.4mL/時
50kg:3.0mL/時
60kg:3.6mL/時
70kg:4.2mL/時
- 用法・用量:適宜調整
投与量:1~10μg/kg/min
- 体重
30kg:1.8~18.0mL/時
40kg:2.4~24.0mL/時
50kg:3.0~30.0mL/時
60kg:3.6~36.0mL/時
70kg:4.2~42.0mL/時
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備 考 |
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