販売名 |
スロンノンHI注10mg/2mL |
組 成 |
(1アンプル中) アルガトロバン水和物 10mg |
薬 効 |
抗トロンビン剤 |
長期投与 |
用法・用量に関連する使用上の注意参照 |
警 告 |
本剤の脳血栓症急性期の臨床試験において、出血性脳梗塞の発現が認められている。脳血栓症の患者に使用する場合には、臨床症状及びコンピューター断層撮影による観察を十分に行い、出血が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
禁 忌 |
(次の患者には投与しないこと)
- 1.
- 出血している患者(頭蓋内出血、出血性脳梗塞、血小板減少性紫斑病、血管障害による出血傾向、血友病 その他の凝固障害、月経期間中、手術時、消化管出血、尿路出血、喀血、流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産婦等)[出血している患者に投与した場合には 止血が困難になるおそれがある(「警告」の項参照)。]
- 2.
- 脳塞栓又は脳塞栓のおそれがある患者(ただし、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型の患者を除く)[出血性脳梗塞を起こすおそれがある(「警告」及び「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 3.
- 重篤な意識障害を伴う大梗塞の患者[大梗塞の患者は出血性脳梗塞を起こすおそれがある(「警告」の項参照)。]
- 4.
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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効能・効果
用法・用量 |
- 1. 下記疾患に伴う神経症候(運動麻痺)、日常生活動作(歩行、起立、坐位保持、食事)の改善
・ 発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)
- 通常、成人に、はじめの2日間は1日6管(アルガトロバン水和物として60mg)を適当量の輸液で希釈し、24時間かけて持続点滴静注する。その 後の5日間は1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を適当量の輸液で希釈し1日朝夕2回、1回3時間かけて点滴静注する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
- 2. 慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍、安静時疼痛ならびに冷感の改善
- 通常、成人1回1管(アルガトロバン水和物として10mg)を輸液で希釈し、1日2回、1回2~3時間かけて点滴静注する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
- 4週間を超えて投与した経験は少ないので、本剤の投与期間は4週間以内をめどとすること。
- 3. 下記患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)
・ 先天性アンチトロンビンIII欠乏患者
・ アンチトロンビンIII低下を伴う患者
(アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下し、かつ、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウムの使用では体外循環路内の凝血(残血)が改善しないと判断されたもの)
- 通常、成人に、体外循環開始時に1管(アルガトロバン水和物として10mg)を回路内に投与し、体外循環開始後は毎時2.5管(アルガトロバン水和物として25mg)より投与を開始する。
凝固時間の延長、回路内凝血(残血)、透析効率及び透析終了時の止血状況等を指標に投与量を増減し、患者毎の投与量を決定するが、毎時0.5~4管(アルガトロバン水和物として5~40mg)を目安とする。
- <用法及び用量に関連する使用上の注意>
本剤を使用することによりアンチトロンビンIIIが70%以上に回復し、体外循環路内の凝血(残血)が管理可能と判断されたときには、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウムの使用を速やかに検討し、本剤を漫然と使用しないこと。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
血液体外循環時に使用する場合、播種性血管内血液凝固症候群(DIC)に伴うアンチトロンビンIII低下患者では、血液体外循環時に投与した経験がないので、投与しないことが望ましい。
- 4. ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)II型における血栓症の発症抑制
- 本剤を適当量の輸液で希釈し、通常、成人にアルガトロバン水和物として0.7μg/kg/分より点滴静注を開始し、持続投与する。なお、肝機能障 害のある患者や出血のリスクのある患者に対しては、低用量から投与を開始すること。活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を指標に投与量を増減 し、患者毎の投与量を決定する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>>
- 本剤のクリアランスが低下している肝機能障害のある患者、及び出血のリスクのある患者に対しては、低用量(0.2μg/kg/分)から投与を開始するなど注意すること。
- 本剤による治療開始時には、以下の表を参考に投与を開始すること。
本剤を20mLに希釈し、0.7μg/kg/分あるいは0.2μg/kg/分で投与する場合の投与速度

- 本剤投与開始後は、aPTTを投与前値の1.5~3倍の範囲かつ100秒以下となるように用量を調節すること。なお、出血のリスクのある患者ではaPTTが、投与前値の1.5~2倍となるように用量を調節すること。
- 本剤投与開始2時間後及び本剤の投与量の変更2時間後を目安にaPTTを測定し、投与量を調節する。肝機能障害がある患 者又は出血のリスクがある患者に対しては、本剤投与開始あるいは投与量変更6時間後にもaPTTを測定することが望ましい。aPTTが目標とする範囲に達 するまでは、適宜aPTTを測定し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。
- aPTTが投与前値の3倍又は100秒を超えた場合は、本剤の投与を中止すること。本剤投与を再開する場合には、aPTTが治療域(投与前値の1.5~3倍かつ100秒以下)に回復したことを確認し、投与中止前の1/2の用量を目安に開始すること。
- 本剤を使用することにより血小板数が回復し、安定した場合には、経口抗凝固薬(ワルファリン等)による治療の開始を考慮 すること。なお、ワルファリンに切り替える場合は、本剤とワルファリンを5日間程度併用すること。本剤とワルファリンとの併用時は、aPTT及びプロトロ ンビン時間-国際標準比(PT-INR)をモニタリングすること。なお、本剤とワルファリンとの相互作用によりPT-INRが延長することから、本剤中止 後にPT-INRが短縮することに注意すること。
- 経口抗凝固療法への移行が困難な患者を除き、本剤を漫然と使用しないこと。(国内外の臨床試験において本剤投与期間は概ね7~14日間であった。また、国内で実施された臨床試験では、ワルファリンへの切り替えができなかった患者1例での投与期間は最長35日であった。)
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備 考 |
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