販売名 |
塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g |
組 成 |
(1バイアル中) バンコマイシン塩酸塩 0.5g |
薬 効 |
グリコペプチド系抗生物質製剤 |
長期投与 |
|
警 告 |
本剤の耐性菌の発現を防ぐため,「効能・効果に関連する使用上の注意」,「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上,適正使用に努めること。 |
禁 忌 |
(次の患者には投与しないこと)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
|
原則禁忌 |
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
- 1. テイコプラニン,ペプチド系抗生物質又はアミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2. ペプチド系抗生物質,アミノグリコシド系抗生物質,テイコプラニンによる難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]
|
効能・効果 |
- 1. <適応菌種>
- バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
- <適応症>
- 敗血症,感染性心内膜炎,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,骨髄炎,関節炎,肺炎,肺膿瘍,膿胸,腹膜炎,化膿性髄膜炎
- 2. <適応菌種>
- バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)
- <適応症>
- 敗血症,感染性心内膜炎,外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,骨髄炎,関節炎,腹膜炎,化膿性髄膜炎
- 3. <適応菌種>
- バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)
- <適応症>
- 敗血症,肺炎,化膿性髄膜炎
- 4. MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症
|
効能・効果に関連する使用上の注意 |
- 1. 本剤の副作用として聴力低下,難聴等の第8脳神経障害がみられることがあり,また化膿性髄膜炎においては,後遺症として聴覚障害が発現するおそれがあるので,特に小児等,適応患者の選択に十分注意し,慎重に投与すること。
- 2. PRSP肺炎の場合には,アレルギー,薬剤感受性など他剤による効果が期待できない場合にのみ使用すること。
- 3. MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症に用いる場合には,下記の点に注意すること。
- (1) 本剤は,以下の2条件を満たし,かつMRSA又はMRCNSが原因菌であると疑われる症例に投与すること。
- 1) 1回の検温で38℃以上の発熱,又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
- 2) 好中球数が500/mm3未満の場合,又は1000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
- (2) 国内外のガイドラインを参照し,本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで,本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
- (3) 本剤投与前に血液培養を実施すること。MRSA又はMRCNS感染の可能性が否定された場合には本剤の投与中止や他剤への変更を考慮すること。
- (4) 本剤投与の開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には,白血球数の半数を好中球数として推定すること。
-
|
用法・用量 |
- 通常,成人にはバンコマイシン塩酸塩として1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごと又は1回1g(力価)12時間ごとに分割して,それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
- なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。
- 高齢者には,1回0.5g(力価)12時間ごと又は1回1g(力価)24時間ごとに,それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
- なお,年齢,体重,症状により適宜増減する。
- 小児,乳児には,1日40mg(力価)/kgを2〜4回に分割して,それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
- 新生児には,1回投与量を10〜15mg(力価)/kgとし,生後1週までの新生児に対しては12時間ごと,生後1ヵ月までの新生児に対しては8時間ごとに,それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
-
-
|
用法・用量に関連する使用上の注意 |
- 1. 急速なワンショット静注又は短時間での点滴静注を行うとヒスタミンが遊離されてred neck(red man)症候群(顔,頸,躯幹の紅斑性充血,そう痒等),血圧低下等の副作用が発現することがあるので,60分以上かけて点滴静注すること。
- 2. 腎障害のある患者,高齢者には,投与量・投与間隔の調節を行い,血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。[「慎重投与」,「高齢者への投与」,「薬物動態」の項参照]
- 3. 本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現を防ぐため,次のことに注意すること。
- (1) 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
- (2) 原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
- (3) 投与期間は,感染部位,重症度,患者の症状等を考慮し,適切な時期に,本剤の継続投与が必要か否か判定し,疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。
-
|
備 考 |
|