販売名 ヘブスブリンIH静注1000単位
組 成 (1バイアル(5mL)中) 抗HBs抗体 1,000単位
薬 効 血漿分画製剤
長期投与  
特殊記載項目 本剤は,貴重な人血液を原料として製剤化したものである.原料となった血液を採取する際には,問診,感染症関連の検査を実施するとともに,製造工程におけ る一定の不活化・除去処理を実施し,感染症に対する安全対策を講じているが,人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することは できないため,疾病の治療上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にとどめること.(「使用上の注意」の項参照)
禁 忌 (次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
2.
HBs抗原陽性者(肝移植施行患者を除く.)
原則禁忌 (次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
  1. HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防
  2. HBs抗原陽性のレシピエントにおける肝移植後のB型肝炎再発抑制
  3. HBc抗体陽性ドナーからの肝移植後のレシピエントにおけるB型肝炎発症抑制
用法・用量
本剤は効能・効果に応じて以下のとおり投与する.
なお,本剤は直接静注するか,又は日本薬局方生理食塩液など中性に近い補液に混じて点滴静注する.直接静注する場合は,きわめて徐々に行うこと.
1.HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防
通常,成人に対して,1回1,000~2,000単位(5~10mL)を使用する.
小児には1回32~48単位(0.16~0.24mL)/kg体重を使用する.
投与の時期は事故発生後7日以内とする.なお,48時間以内が望ましい.
2.HBs抗原陽性のレシピエントにおける肝移植後のB型肝炎再発抑制
通常,成人には,無肝期に5,000~10,000単位(25~50mL),術後初期に1日当たり2,000~10,000単位 (10~50mL)を投与する.小児には,無肝期に100~200単位(0.5~1mL)/kg体重,術後初期に1日当たり40~200単位 (0.2~1mL)/kg体重を投与する.術後初期の投与は7日間以内とする.その後,患者の状態に応じ血中HBs抗体価200~1,000単位/L以上 を維持するように投与する.
3.HBc抗体陽性ドナーからの肝移植後のレシピエントにおけるB型肝炎発症抑制
通常,成人には,無肝期に10,000単位(50mL),術後初期に1日当たり10,000単位(50mL)を投与する.小児には,無 肝期に200単位(1mL)/kg体重,術後初期に1日当たり200単位(1mL)/kg体重を投与する.術後初期の投与は7日間以内とする.その後,患 者の状態に応じ血中HBs抗体価200単位/L以上を維持するように投与する.
用法・用量に関連する使用上の注意 1.
点滴静注により投与することが望ましい.直接静注する場合はきわめて徐々に行うこと(低・無ガンマグロブリン血症の患者には注意すること).
2.
肝移植患者に対して本剤を大量投与する場合,必要投与量を直接又は生理食塩液等中性に近い補液に混じ,30分~60分以上かけてシリンジポンプ等を用いて静注するか又は点滴静注し,経過を十分に観察すること.
3.
肝移植患者に使用する場合,血中HBs抗体価の低下によるB型肝炎再発又は発症を防ぐため患者の状態に応じて適宜血中 HBs抗体価を測定し,本剤の投与量及び血中HBs抗体価の測定間隔を調節すること.特に、血中HBs抗体価に影響を与える因子(術前のHBV-DNA 量、術中の出血量,術後の腹水貯留・ドレナージ等)が患者毎に異なっている術後早期並びに患者の肝機能に変化が生じた際には頻回に血中HBs抗体価を測定 することが望ましい.
備 考 「HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防」の目的で使用した場合の保険給付については,下記のとおりであるので,その取扱いについては十分ご留意ください.
(1)汚染の原因(適用範囲):負傷し,HBウイルス感染の危険が極めて高いと判断され,縫合,消毒,洗浄等の処置及び本製剤の注射が行われた場合
業務上:労災保険適用,業務外:健康保険等適用
(2)汚染の原因(適用範囲):既存の負傷にHBs抗原陽性血液が付着し,HBウイルス感染の危険が極めて高いと判断され,縫合,消毒,洗浄等の処置及び本製剤の注射が行われた場合
業務上:労災保険適用,業務外:健康保険等適用